成年後見制度の見直し(改正)ポイントを、はじめての方にもわかりやすく解説
公開日:2026年7月26日
2026年(令和8年)6月、成年後見制度を見直す法律が成立しました。「制度が使いにくい」「一度始めると途中でやめられない」といった声を受けた、大きな改正です。この記事では、専門用語をできるだけ使わず、何がどう変わるのかをやさしく解説します。
そもそも成年後見制度とは?
成年後見制度は、認知症・知的障害・精神障害などで判断能力が十分でない方を、法律面から支える制度です。ご本人に代わって、預貯金の管理や契約、福祉サービスの手続きなどをサポートします。
大きく分けて、次の2つがあります。
- 法定後見……すでに判断能力が低下した後に、家庭裁判所が支援者(後見人など)を選ぶ。判断能力の程度に応じて「後見・保佐・補助」の3つの区分がある。
- 任意後見……判断能力があるうちに、将来に備えて「誰に・どんな支援を頼むか」を自分で契約しておく。
なぜ見直されるの?(今の制度の課題)
これまでの制度は、利用する人にとって使いにくい面がありました。おもな課題は次のとおりです。
- 一度始めると、原則としてご本人が亡くなるまでずっと続いてしまう
- 特定の手続き(例:不動産の売却)が終わっても、利用をやめられない
- ご本人の意思や希望が反映されにくい
- 後見人の交代がしにくく、柔軟に対応できない
こうした「使いにくさ」から利用が広がりにくく、より本人本位で柔軟な制度にするための見直しが進められました。
見直しの主なポイント
今回の見直しの方向性を、やさしくまとめると次のようになります。
① 「必要な時に、必要な範囲で」使える制度へ
これまでのように「一度始めたらずっと続く」のではなく、本当に支援が必要な場面・範囲に限って利用できるようにする方向です(必要性・補充性の考え方)。
② 期間を区切って利用できるように
必要な期間だけ利用し、あらためて必要かどうかを見直せるようにする(更新のしくみ)ことが検討されています。
③ 制度の区分(後見・保佐・補助)の見直し
これまでの「後見・保佐・補助」という3つの区分を見直し、より柔軟で分かりやすい制度へと整理する方向です(「補助」を中心に一元化する考え方が示されています)。
④ 本人の意思・自己決定の尊重
ご本人の気持ちや希望をできるだけ尊重し、「支援される人」ではなく「本人が主役」の制度を目指します。
⑤ 後見人の交代をしやすく
状況の変化に応じて、後見人などの支援者を交代しやすくする方向で検討されています。
いつから変わる?(スケジュール)
見直しに関する法律は2026年(令和8年)6月に成立・公布されました。実際に新しい制度が始まる(施行される)のは、公布からおおむね2年6か月以内とされており、2028年ごろが見込まれます。それまでに、細かいルールが順次定められていく予定です。
元気なうちにできる備え
制度が変わっても、「判断能力があるうちに、自分の希望を決めておく」ことの大切さは変わりません。今からできる備えには、次のようなものがあります。
- 任意後見契約を結び、将来の支援者・支援内容を自分で決めておく
- 見守り契約や財産管理の委任契約もあわせて検討する
- エンディングノートで、医療・介護・お金の希望を残しておく
- ご家族と早めに話し合っておく
よくあるご質問
成年後見制度の見直しはいつから始まりますか?
法律は2026年6月に成立・公布され、施行は公布からおおむね2年6か月以内(2028年ごろ)の見込みです。
今の制度と何がいちばん変わりますか?
「一度始めるとずっと続く」制度から、「必要な時に、必要な範囲で」使える制度へと変わる方向です。あわせて区分の見直しや本人意思の尊重も進みます。
元気なうちにできる備えはありますか?
判断能力があるうちに任意後見契約を結んでおく方法があります。エンディングノートやご家族との話し合いもおすすめです。
まとめ
今回の成年後見制度の見直しは、「本人にとって使いやすく、意思を尊重する制度へ」という大きな方向性の改正です。
- 「必要な時に、必要な範囲で」使える制度へ
- 後見・保佐・補助の区分を見直し、より柔軟に
- 本人の意思の尊重・後見人の交代のしやすさも改善
- 施行は2028年ごろの見込み。備えは「任意後見」などで今からできる
「自分や家族の場合はどう備えればいい?」「任意後見って何から始めるの?」と迷ったら、お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
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