身内が亡くなった直後にやってはいけないこと8選|相続で損をしないために
公開日:2026年8月16日
身近な方が亡くなった直後は、悲しみのなかで慌ただしく物事が進みます。そんなときこそ、「よかれと思ってやったこと」が、あとで相続のトラブルや不利益につながることがあります。この記事では、亡くなった直後にやってはいけないこと8選を、知識がない方にもわかりやすく解説します。
やってはいけないこと8選
① 故人の預貯金を勝手に引き出して使う
「当面の生活費や葬儀費用に」と、故人の口座からお金を引き出して使ってしまうのは要注意です。預貯金も相続財産の一つで、本来は相続人全員のものです。勝手に使うと、あとで他の相続人とのトラブルになったり、「相続を承認した」とみなされて相続放棄ができなくなることがあります。なお、葬儀費用など当面の資金には「預貯金の仮払い制度」があります。取り扱いは各金融機関にご確認ください。
② 遺品や財産を勝手に処分・形見分けする
気持ちの整理のためにと、早々に遺品を処分したり、価値のある品を分けてしまうのは避けましょう。財産の全体像がわからなくなり、相続手続きが進めにくくなります。写真や手紙など価値の高くないものは別ですが、貴金属・骨董品などは、まず全体を把握してからが原則です。
③ 相続放棄を考えているのに財産に手をつける
故人に借金が多いなどで相続放棄を検討している場合は、特に注意が必要です。財産を使ったり処分したりすると、相続を承認したとみなされ、放棄できなくなることがあります。相続放棄には「相続を知った日から原則3か月以内」という期限もあります。放棄するかもしれない段階では、財産に手をつけないでください。
④ 相続人だけの口約束で分け方を決めてしまう
「兄がこれ、妹はこれ」と口約束だけで決めると、後から「言った・言わない」の争いになりがちです。遺産の分け方は、相続人全員の合意を「遺産分割協議書」という書面に残すことが大切です。書面がないと、預貯金の解約や名義変更の手続きでも困ることになります。
⑤ 手続きの「期限」を放置する
相続には期限のある手続きが多くあります。知らずに過ぎてしまうと不利益を受けることも。代表的な期限の目安は次のとおりです。
| 手続き | 期限の目安 |
|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 相続を知った日から3か月以内 |
| 準確定申告(必要な場合) | 4か月以内 |
| 相続税の申告・納付(必要な場合) | 10か月以内 |
| 不動産の相続登記 | 取得を知った日から3年以内(義務) |
⑥ 公共料金・サブスク・カードの解約を後回しにする
電気・ガス・水道の名義変更や、携帯電話・動画配信などの月額サービス、クレジットカードの解約を放置すると、支払いが続いてしまうことがあります。契約内容を一覧にして、早めに解約・名義変更を進めましょう。
⑦ ネット口座・スマホ・SNS(デジタル遺産)を放置する・慌てて消す
ネット銀行・ネット証券・電子マネーなどは、通帳がなく存在に気づかれないまま放置されがちです。逆に、スマホやパソコンを慌てて初期化・解約すると、財産の手がかりが消えてしまうことも。まずは契約やIDを落ち着いて洗い出しましょう。
⑧ 慌てて高額な契約を結ぶ・不確かな情報だけで判断する
不安なときほど、強い勧誘や「今すぐ契約を」という誘いに乗ってしまいがちです。その場で高額な契約を結ばないこと、ネット上の断片的な情報だけで判断しないことが大切です。迷ったら、いったん立ち止まって専門家に相談しましょう。
「誰に頼むか」の役割分担を知っておく
相続の手続きは、内容によって担当する専門家が法律で分かれています。依頼先を間違えないよう、あらかじめ役割分担を知っておくと安心です。
| やりたいこと | おもな担当 |
|---|---|
| 戸籍の収集・相続関係説明図の作成 | 行政書士 |
| (争いのない)遺産分割協議書の作成 | 行政書士 |
| 預貯金・自動車などの名義変更サポート | 行政書士 |
| 不動産の名義変更(相続登記) | 司法書士 |
| 相続放棄など家庭裁判所への手続き | 司法書士・弁護士 |
| 相続税の判断・申告 | 税理士 |
| 相続人どうしの争い・交渉・代理 | 弁護士 |
よくあるご質問
故人の預貯金口座はいつ凍結されますか?
金融機関が名義人の死亡を確認した時点で口座は凍結され、入出金ができなくなります。凍結前でも勝手に引き出して使うのは避けましょう。葬儀費用など当面の資金には「預貯金の仮払い制度」があります。詳しい取り扱いは各金融機関にご確認ください。
相続放棄を考えています。まず何に気をつければよいですか?
故人の財産に手をつけない(預貯金を使う・遺品を処分するなど)ことが大切です。財産を処分・費消すると相続を承認したとみなされ、放棄できなくなることがあります。相続放棄は家庭裁判所への申述手続きで、原則3か月以内が期限です。手続きの代理は司法書士・弁護士が扱う分野です。
形見分けもしてはいけないのですか?
写真や手紙など価値の高くないものの形見分けは、一般に問題になりにくいとされます。一方、貴金属・骨董品・預貯金など価値のあるものを早い段階で処分・分配すると、相続放棄ができなくなったり、相続人間のトラブルにつながったりすることがあります。まずは財産の全体を把握してから進めましょう。
まとめ
亡くなった直後は、「財産に手をつけない」「口約束で決めない」「期限を放置しない」の3つが、あとで損をしないための大きなポイントです。慌てて動く前に、まずは全体像を把握することが大切です。
- 預貯金を使う・遺品を処分する前に、財産の全体を把握する
- 相続放棄を考えるなら、財産に手をつけない(期限は3か月)
- 分け方は口約束でなく「遺産分割協議書」で残す
- 手続きは内容ごとに担当(専門家)が分かれている
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